空き家情報コラム
COLUMN不動産を所有していると、固定資産税や地域によっては都市計画税もかかってきますよね?!
もちろん、空き家を所有している場合にもそれらの税金を支払う義務が発生します。
先程触れたように、空き家を所有していると固定資産税や地域によって都市計画税がかかります。
しかし、土地に建物が存在している場合はこれらの税金が「住宅用地の特例」という制度によって建物がない空き地の状態と比べて安くなっているのです。
つまり、空き家を解体して土地だけの状態にしてしまうと「住宅用地の特例」は適用されなくなって税金がグッと高くなってしまうというわけです。
建物が立っている場合はどのくらい優遇されるのかと言うと、住宅用地に対する固定資産税は最大で六分の一、都市計画税では最大で三分の一まで減額されます。
実際の計算方法は、以下の通りです。
■更地(土地の上に建物がない状態):課税標準額×1.4%
■1戸につき200㎡以下の居住用地部分:課税標準額×六分の一×1.4%
■1戸につき200㎡以上の居住用地部分:課税標準額×三分の一×1.4%
ちなみに、課税標準額とは国土交通省が1年に1回定める地価公示価格をもとに算出された「固定資産評価額」に基づく価格です。
上記の計算方法を見てもわかる通り、お金をかけてわざわざ空き家を解体するよりも、土地の上に建物を残している方が税金に関しては有利ということになります。
そのため、できるだけ税金を安く抑えるために誰も住んでいない空き家をあえて解体せずにそのまま残しておくという人が増えてしまい、近年空き家が増加している理由の一つだともされているのです。
人が住んでいない家は傷みやすく、年々老朽化していくことで外壁や屋根瓦が強風で飛ばされたり放火や不法侵入などの犯罪の温床になってしまうリスクが高まります。
そこで、管理の行き届いていない危険な空き家は特定空き家に指定され、固定資産税の軽減措置から除外されるように、政府は2015年に税制を改正しました。
「特定空き家」に指定された空き家は、例え土地の上に建物が存在していても納税額が上がることになったのです。
誰も住んでいない空き家を適切に管理せずにそのまま放置してしまっていると、上記のような「特定空き家」に指定されてしまう可能性が高くなります。
以下の項目のうち、一つでも当てはまるものがある場合には、特定空き家に指定されます。
■そのまま放置しておくと倒壊など、保安上著しく危険となるおそれがある状態の建物外壁や屋根瓦などが飛散したり、建築物の激しい傾斜、基礎と土台の変形や破損などがこの項目に該当します。
■そのまま放置しておくと衛生上有害となるおそれがある状態の建物
建物が破損した場合に石綿が飛散する可能性や、破損した浄化槽や放置されたゴミによる悪臭、ネズミやハエなどの発生などが挙げられます。
■適切な管理がされておらず、著しく景観を損なっている建物
屋根や外壁がひどく傷んでいたり汚れたまま放置されている状態や、窓ガラスが多数割れている状態などである場合に該当します。
■周辺の生活環境を保全するために放置してはいけないと判断された建物
庭の草木が伸びて近隣の道路にはみ出しているために交通を妨げていたり、不審者が容易に侵入出来てしまう状態などが挙げられます。
「特定空き家」だと判断するのは市町村なのですが、突然指定されるわけではなく、調査→助言または指導→勧告と、段階的な手順によって指定されます。
もし所有している空き家に関して助言や指導を受けた場合には、すみやかに対処する必要があります。
特定空き家に指定されてしまった場合、一番気になるのは税金の問題ではないでしょうか??
特定空き家に指定された場合の税金は、下記の通りです。
■税金は・・・?
特定空き家に指定された場合は、「住宅用地の特例」が適用されなくなり、結果として固定資産税が今までと比較して最大6倍に跳ね上がってしまいます。
例えば、今まで「住宅用地の特例」が適用されていて固定資産税の支払いが5万円だった場合には、特定空き家に指定されると最大で30万円にまで税金がアップしてしまうことになります。
また、都市計画税も固定資産税と同様に軽減措置が適用されなくなってしまいますので、
最大で今までの3倍の税金を支払うことになります。
「空き家だと税金が6倍になってしまうのでは?」と思われている方もいるかもしれませんが、適切に管理されている空き家であれば誰も住んでいないからと言って税金が上がってしまうわけではありません。
とは言っても、空き家をそのままの状態で維持していくには固定資産税や都市計画税だけでなく管理するための費用も負担する必要があります。
今すぐに特定空き家に指定される心配はなくても、いずれ建物は老朽化してしまうので特定空き家に指定されるのは時間の問題です。
それならば、早めに空き家を解体するなり、リフォームして賃貸物件にするなどの対策をした方が得策と言えますよね。
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